お耳の恋人その10

 女「ねえ」

男「なに?」

女「あのね」

男「うん」

女「…会いたい」

男「俺も会いたいよ?」

女「ほんとに?!」

男「うん」

女「じゃあ、会お?!」

男「…ごめん、それは無理なんだ…」

女「え…なんで…」

男「…だってさ…」

女「だってなんなの?」

男「…それは…」

女「ちゃんと言ってくれないとわからないよ!」

男「お店の決まりだからです」

女「なんでよー、〇〇も会いたいんでしょー?」

男「あの、お客様?」

女「まって、せめて名前にして!」

男「はあ…。○○?あの、リップサービスってご存知ですか?」

女「…知ってるけど…」

男「じゃあ、さっき僕が言ったのは?」

女「…リップサービス…」

男「もともとここは通話オンリー、会うの禁止。会話も全部録音されてチェックされてますので」

女「知ってるけどさあ…」

男「それに、初めての時に説明聞かれましたよね?」

女「…はい…」

男「会話上合わせはしますが、会ったりはしません。」

女「…だよねえ…」

男「まあ、街中でたまたま見かけて声かけてくれたらいいんんじゃないですか?」

女「え!じゃあ、どこに住んでるんですか?!」

男「それはNGです。あんまりひどいとブラックリストに入りますよ?」

女「え!まって!それは嫌!…すみませんでした。」

男「わかって頂けたなら結構です。」

女「…あの~」

男「なにか?」

女「そろそろ恋人に戻って欲しいんですけど…」

男「はい。わかってくれて嬉しいよ?」

女「…はあ、いつか街中で出会える事を期待しておくわ…」

男「あ、もうそろそろ時間だね?」

女「あ、もう時間かあ…」

男「今日はどうする?」

女「う~ん。じゃあ、あと10分だけ…」

男「10分延長入りましたー!」

女「…ねえ」

男「なんだい?」

女「その延長の声かけだけなんとかしてくれない?」

男「あー、それは、さすがに掛け合ってみます」

女「じゃあ、最後はぐっすり眠れるようにして?」

男「ああ、わかったよ。○○?」

女「なに?」

男「今度、どこか出かけないか?」

女「え!出かけたい!デートどこに行こっか!!(はあ、これがほんとの彼氏だったらなあ)」


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